幸せは本当にそうなのか?

 

 結婚は人生の墓場だという言葉を昔は聞いた。今は死語に近いかもしれない。昔ほどまんべんなく結婚の機会がそこら中には溢れていない。お付き合いのゴールが結婚で、結婚のゴールが墓場だとでもいうのか。

 

 高校生のゴールは大学入学であり、大学生のゴールは就職だとする。ゴールは幸せでもあり、地獄でもある。大人たちは、七転び八起き立ち上げれ、前を向け進んでいけば、いづれゴールにたどり着けること教えてくれた。


 一つのゴールは一つのスタートであることをやがて知る。他人と比較で染みついた世間の評価が高いゴールへのモチベーションは自分を安住させることにつながったのか?サラリーマンのゴールに近づいて立ち止まり、「本当にそうなのか」と疑問に思う。

 

 働いてきたのは何のためで、蓄えはなんのためなのだろう。目的地に行くための切符を買うためだったのか。子供のために旅をしているのか。彼のゴールを見守ることができないから、全ての親は時間を貢ぎ続けるのか。

 

 苦いゴールを経験したから暖かなゴールを知ることができる。成功ばかりの人生が本当に楽しい人生なのか。人生は複雑で不確実なものだ。悲しみや痛みを知らなければ、どうして幸福を味わえるだろうか。

 

 本当に生きていられることのあり方を知るために、第二章に入ろうと思う。