冬のコロナ大感染、わかりきっていた危機になぜ日本は対応できなかったか | 情報戦の裏側 | ダイヤモンド・オンライン
日本医師会の中川会長が日本の医療は「崩壊から壊滅」に向かうとテレビで国民に呼びかけた。コロナに限らず感染力の強いウィルスは、指数関数的に感染が広がる。例はよくないがねずみ講のような広がり方をする。直線ではなく曲線の世界だ。
昨日で、日本でコロナウィルスが発見されてちょうど1年が経った。1年間も我々は右往左往している。波が来るたびにピークが高くなる。そして、ウィルスは変化し始めている。恐ろしいと思う。怖い。
政府は民間病院に協力を求めている。但し、国内の医療施設や医療関係者の数は変わらない。意味するところは、一般の傷病に確保されていた資源がコロナ対応に使用されることになる。医療はゼロサムゲームになる。
何故、1年間もあって今更こんなことになっているのか?
このあいだパーキンソンの法則でも話した。テレビで報道されている感染者数、死亡者数に現実感がない。自分の周りで感染した、亡くなられたという話を聞かない。究極はコロナ詐欺だというような奇怪な話まで流れている。
日本は世界一の医療機関数を誇ると言われているらしいが、そのほとんどが地域にある小規模なクリニックだという。これは感覚的よく理解できる。権威とか金銭的成功よりも地域の健康維持に貢献しようという意志が強い医療機関だ。
リスクを取らない経営方針をずっと貫いてきた小さな医院やクリニックの経営者が、「コロナを受け入れている病院が医療崩壊寸前だから、皆さんも協力してほしい」と言われても、「了解!やりましょう」とフットワーク軽く動けるだろうか。
著者はこれを「現状維持バイアス」と言っている。医療の世界だけではない。迫り来る「危機」を前にして、かけ声だけは上がる。精神論を唱えるだけで「危機」対する慣れになっていると強く感じる。