考えは変わりましたか?

 

 30年も前の話で恐縮です。雑誌に「企業競争は、目標と環境と組織構造で決まる」と書かれていた。当時は、同業種であれば似た経済環境と目標だと考えると、競争の勝敗は、組織構造で決まってしまうという。

 

 戦略を決定する日が両社同じだとすると、決定日の直前まで結論を待てる企業の方が有利になる。ぎりぎりまで待つことで不確実な要素の予測が確実になるならなんです。組織構造が業務と意思決定のスピードを決めるからです。

 

 古き良き時代の話しました。今、一人ひとりがどうありたいのかを考え、生き方や働き方の選択を迫っています。成長を求めるのか、フラットな人間関係を重視するのか。厳しい環境の中で自分を鍛えるのか、それよりも私生活の充実に重点を置くのか。

 

 会社を選ぶ条件は年収や勤務地、福利厚生、雇用形態といった目に見える条件ばかりではないはず。個人が自分の価値観に沿って選ぶ。何が良いか悪いかではなく、自分の価値観とフィットする組織文化の中で働きたい思いは強まっていくはずです。

 

 30年前の組織の話が良い悪いではなく、企業側に独自の組織文化がないと、もはや選ばれなくなってしまいます。誰もが企業に属することを望む時代ではなくなります。ますます人材の流動化が進むでしょう。

 

  僕がよく書いていますが、ヒトはその他の経営資源をどこにどれだけ使うかを決めれる唯一の経営資源です。しかしながら、その価値は財務諸表には載っていません。まして、ヒトが集まり文化を構成する組織の価値は言わずもがなです。