自社の株買いますか?

 

持ち株会で社員が「自社株」を買うのに断固反対する2つの理由 | 山崎元のマルチスコープ | ダイヤモンド・オンライン

 

 僕は過去に二度勤める会社の株を持たせてもらったことがある。一度目は1987年で二度目は2005年だった。著者は、記事の中で社員が自社株を買うことに反対だと言っている。その理由に沿って思い出して考えてたい。

 

 著者の反対理由は2つある。1つは、その企業の経営者の立場で考えたときの理由。もう1つは、社員の資産運用の観点からの理由だという。経営者の立場では「持たせたい」「持たせたくない」と思う二通りがいると言っている。

 

 一度目も二度目も社長は持たせたい派だった。一度目は上場を目指していたが、二度目は上場するつもりはなかった。共通しているのは、企業価値を上げ高配当を貰えるように社業に励むだろうという意図だ。

 

 1987年の頃はまだまだ株を取引会社同士でお互いに持ち合うことが多い時代だ。安定的に社員が持つという意味合いもあったのだろう。昇給し毎月積み立て自社株を買うそういう好循環があった。

 

 オーナー企業経営者が独特に持つ性質として、優越感に浸れるのなもしれなかったとも言える。自分の意見に賛同する人間には、そうでない社員と差別的に扱うことがある。幹部社員の転職を抑止する効果が期待できる場合もある。

 

 経験した2社とも財務情報の開示には積極的だった。そういう意味では持たせたくない理由はなっかたのではないか。僕は財務担当だったので、持株会のメンバーに財務の説明会を実施してきた。

 

 自社株を持てるからと言って、個人の財務バランスを崩すような持ち方はできなかった。まだ、資産形成教育をするような時代ではなかった。一度目は8%配当だったし、二度目10%配当だったので、運用効率が悪かったわけではない。

 

 両社の社長は、もうお亡くなりになられたが、自分の都合ばかりでなく社員の長期的な資産形成の適切性にも気を配ることが重要だと学ぶことができた。