1日6万円の協力金は足りるか?

居酒屋,飲食業

 

 

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今回は「1日6万円の時短協力金は、飲食業の経営には「過剰気味」な現状」をテーマに書いてみようと思います。

 

1日6万円の時短協力金は、飲食業の経営には「過剰気味」な現状 | 野口悠紀雄 新しい経済成長の経路を探る | ダイヤモンド・オンライン

 

  この記事は、時短協力金1日6万円が過剰なのかを問うている。答えがあるわけではないし、実際にそうなる訳でもない。海外の経営大学院が使うケース問題と同じ。仮説を自分で設定して答えを導き出して意思決定する。

 

 飲食店の時間短縮に1店舗あたり1日6万円の時短営業協力金が支給される。この額は飲食店の経営をどの程度補うことができるのか?こういう時に、お助けマンは統計調査資料だ。平均値が分かれば何とか試算ができる。

 

 法人企業統計調査で見ると、2020年7~9月期で飲食サービス業の零細企業では、1企業あたり1日4.7万円の赤字だ。企業あたりの店舗数が2、3店と考えられるので、協力金で赤字をカバーできる。

 

 この政策は、時短営業に応じると、1日1店舗あたり6万円の協力金が1月8日から2月7日までの間、支給されることになっている。また、時短による収入減少に対する補償ではないとも説明されている。

 

 この統計データの使い方が肝だ。ざっくりでもいいから、おおよそ「1日1店舗あたり6万円」が売り上げに見合うかどうかの比較データが欲しいのだ。これを統計から導き出す理屈が重要なのだ。記事で野口先生は次のように見ている。

 

法人企業統計調査によれば、直近の計数が分かる2020年7~9月期で、資本金1000万円から2000万円の企業数は1万5127だった(図表1参照)。

1企業あたりの四半期の売上高は、19年7~9月期の7800万円から20年7~9月期の6372万円へと18.3%減少した。

四半期の営業日を100日とすると、1企業1日あたり19年の78.0万円から20年の63.7万円へと14.3万円の減少だ。

1企業1日あたりの営業利益は、19年7~9月期の1.72万円から20年には4.72万円の赤字になった。

 

 1日6万円という額は1店舗あたりのものだ。ところが、法人企業統計調査では1企業あたりの店舗数は分からない。ここはえいや~で辺りを付けるしかなさそうだ。法人企業統計調査で1企業あたりの人員数が30人となっていることから推測する。

 

 ここからは推測の域を出ないが、1企業あたり2、3軒の店舗を持っている場合が多いのではないかと考えられる。これは平均的な意味合いで1店舗当たり5人の店もあるし、20人必要な店もあるだろう。平均的に1店舗10人の人員が必要と外れが少ない。

 

 この仮定に立てば、協力金は1企業1日あたり12万~18万円程度になると推測できる。 これは法人企業統計調査で算定した赤字(4.72万円)を消すには十分だ。前年並みの売上高を補填する(14.3万円)ほどの額になっている。

 

 これは平均を仮定しての話だ。法人企業統計調査は全国平均値だから、地域的な平均格差もあり得るし、企業当たりの従業員、そこから見た店舗数も同じことが言える。東京都での状況は以上で考えたよりも厳しいかもしれない。

 

 

 こういう視点で、1店舗1日6万円という協力金がどの程度のものかの水準を知ることができれば、ニュースを解説したくなるかもしれない。