社長は理不尽ですか?
わが社の社長がいつも支離滅裂なのはなぜか、組織がブレる5つの要因 | 組織の病気~成長を止める真犯人~ 秋山進 | ダイヤモンド・オンライン
わが社の社長がいつも支離滅裂なのはなぜか?
秋山進氏は、次の5つが要因だと解説している。経営学の教科書的な解説であまり興味がわかない。
1. 目的の多様化
2. 手段の目的化
3. 事業環境の変化
4. 目的間のコンフリクト(対立、あつれき)
5. 目的を理解していない人の登用
僕が期待していた内容は、清水勝彦氏の『あなたの会社が理不尽な理由』(2016年日経BP社刊)のような内容だった。どこの会社でも見かける「会社あるある」の経営学的な分析の話だった。
「パーキンソンの法則」という言葉をご存じか。日本語訳の書籍も出版されている。
議題の1案件の審議に要する時間は、その案件にかかわる金額に反比例する。
ちっぽけな金額の議題ほど長時間に渡って議論され、超ビッグな工場建設のような金額の議題ほど時間をかけないという法則だ。
例えば、この1階に設置するカップコーヒーの値段が高いか安いかで、どのベンダーを選ぶのかと言う話は結構な時間を必要としないだろうか。しかし、50億円の設備を買うかどうかと言う話はすぐに異議が出なくなる。
タクシー代の削減など枚挙に暇がないほどではないだろうか。何故、こういうことが起きるのか?これは、「関心喪失点」という考え方があって、コーヒー代やタクシー代は関心の範囲内の金額の話で設備の金額は数字の羅列に見えて実感がないのだ。
著者が主張しているのは、「答え」を求める発想の問題である。質問には、「どういう時に」「誰にとって」という「目的」や「課題」をきちんと認識ことが重要だと言う。
ただし、漠然と「目的は何か」「課題は何か」と考えての仕方がない。目の前にいるカイロスに気が付いていないのかもしれない、「できるわけがない」「自分とは関係ない」と思ってしまうからだ。
「視点」は大切だ。「視点」がなければ、会社の出来事、数字、ニュースを見聞きしても本当の理解と対策にはつながらない。このような問題意識の引き出し方が著者のユニークな「視点」が存在する。