驚くべき商売の本質とその能力

 

 1786年後半になってから、この一家は緑の盾の館に引っ越したということがわかっている。彼は1744年から1789年7月14日のフランス革命その後20年ぐらい生きてから68年間を生きた。


 その1700年代のドイツ全体を支配していたのは神聖ローマ帝国皇帝のハプスブルク家です。フランクフルトのユダヤ人を自分の下僕つまり自分の持ち物だと考えて生きている。傲慢な皇帝たちですが、そこにフランス革命が起きた。


 ハプスブルク家の都はウィーンです。そして映画でアマデウスという名作の時代です。1791年までモーツァルトが生きていた。あの映画ではなぜかそのフランス革命が全然描かれていない。フランス革命の2年後にアマデウス・ゴルフガング・モーツァルトが死んでいる。


 その時代に若い頃のマイヤーアムシェルは自分がどうやって商売するかまで丁稚奉公に行きながら、まずはじめにパトロンを探そうということで名門貴族ドイツの名門貴族ヘッセン家の興味深い人物に目をつけました。

 

 彼もこのヴィルヘルム9世という人間も貨幣に異常な収集癖を持っていたのでこの男 と手を握ろうとした。当時もユダヤ人は全員がゲットに閉じ込められていたのではなくウィーンの 宮廷にいる貴族たちがみんなユダヤ人を実は自分たち の家臣のようにして雇っていた。

 

 そういう宮廷御用商人と呼ばれるユダヤ人たちが山の様にいまして彼らは特権階級でだからゲットからも時には出られる人間もいた。そういう人間たちのところにマイヤーアムシェルも拠点に入ったわけです。

 

 そういう中で珍しい 古銭の貨幣に並々ならぬ情熱を燃やして非常に優秀であったマイアームシェルはヴィルヘルム9世と手を組んで、古銭を収集し始めた。特に彼はその丁稚奉公にいる間に商人にとって何が大事かということを観察して、要するに貴金属などの値動きがどこで起きるか、今のウォール街や日本の兜町など皆同じなんです。

 

 要するに値動きを先に知っていないと利益を得られない。そういう 利ざやを稼ぐというわけですが、商人はその利ざやを稼ぐ、金利差などをよく知ってなければいけない。そのためには、時のドイツの中でどのような事件がどこに起こったかということすぐに先に知らないと値動きで先手を取れない。

 

 当時は今のようにインターネットなんて便利なものはなかったから、全て郵便で通信をやっていた。お互いに ですから郵便を密かに他人の手紙を勝手に開封して中身を読むとすぐにわかる。

 

 つまり情報を盗み取ろうとマイヤーアムシェルはそのことに知恵を絞り、その当時ヨーロッパ全土に 郵便網を張り巡らされてきた郵便王トゥルン・タキシスという人間にたっぷりカネを握らせて、手紙を先に読ませてもらう。盗んで開封して、また糊をつけて知らん顔をすることで最も親しい関係を取り結びました。