あなたを蝕むもの

 

 人は自分とそれ以外を比較することで生きていられる側面がある。何でもいい自分以外の人よりも優れている点を知りたい欲望がある。
 
 もし、優れている点がなかったらどうするのか?
 
 今度は自分よりも劣っている他人を探して、それを優れている点とすり替えたい本能を持っている。
 
 周囲と比較して自分ができないことが積み重なっていくと、劣等感がどんどん増して自分を必要以上に卑下するようになってしまう。 
 
 パスカルは「人間の偉大さは、人間が自分の惨めなことを知っている点で偉大である」と言った。
 
 もともと人間は、自分をコントロールできないという点で偏った存在なのです。みんな同じなんです。
 
 それを認めて現実を受け入れることは大変惨めな思いを受け入れることになります。
 
 全ての人は同じ惨めさの中で生きています。他人を卑下することで自分の惨めさから逃げてはいけない。惨めさが変わる訳ではない。
 
 ひとつ、またひとつ真摯に向き合えば、きっと何とかなるのです。ひとつあなたは成長したのだ。