地理も時間も差を生むんです

 魚が売りづらかったECで突如取引が急増した理由

 

 「裁定」という言葉は、金融の世界でよく使われます。英語では「Arbitrage」と書いて、サヤを稼ぐという意味です。価格に差がでるような時間的な要素や地理的な要素を利用してサヤを稼ごうというのです。

 魚は産地では安く手に入りますが、距離の離れた山間では貴重な商品として取引されます。ここに裁定の余地が生まれるわけです。株式の世界では、現在と将来との価格差を読んでサヤを稼ぐような取引を行われます。

 大豆やトウモロコシは、もともと将来の買う権利を商品として買っておくと言う発想から市場が始まったわけです。シカゴという街の歴史です。近年の冷凍技術の発展は、このような時間や距離の差を縮めてしまう。

 コロナ禍で人が街にでなくなった時、物の売り方を考え直さないといけません。何か良いヒントになればと思います。