言い伝えには意味がある

 

 畳の耳を踏んではいけない。そう子供の頃から教えられてきました。傷むからという理由はよく聞きますが、調べてみると意外なことが書いてありました。畳の縁や敷居は結界の意味があるようです。

 

 敷居は家の結界を意味しています。敷居は聖と俗、外界と内界との境目として聖なる存在です。家の敷居から中に入ったら、相手の聖域に入っていることを意識して失礼のないようにしなければならないようです。

 

 畳は家人と客との境目、上座と下座の境目。結界を踏む行為は、格式を無視した失礼な行為になるので禁忌とされています。また、その他の敷居を踏む行為を禁ずる理由として、家の構造に悪影響を与えるという事情もあるということです。

 

 レストランでテーブルの上に何気なくバッグを置くのも禁忌。高級なレストランではテーブルクロスも敷いてあり、テーブル上はお皿と同様と見なされるようです。また、畏まった訪問先や目上の方のお宅などでは、以下の順で謙遜の気持ちを表せます。

 

 

 普段、無意識に行っている所作や日常のちょっとしたふるまいが、大切なシーンでも必ず出てしまいがちです。恰好がいいとか悪いとか見た目を気にするのではなく、相手や周りへの配慮や敬意など心の持ちようが大切なのです。