その思いは本当か?

 

 駆け出しのSEは、人数の削減は正義だと思っていた。とにかく、二重の仕事を徹底的に止めさせた。目標も達成されて、大きな評価受けた。一方で、事務方には嫌われ者になった。潜在的に出世の道具と思ってはいなかったか自信はない。

 

 ポイントは、仕事を再編成することだ。そうすれば、まったく仕事を持たない担当者が現れる。辞めてもらおうというわけではない。今の立場になって思うことは、後継の事務方を育てられたのかという一点に尽きる。

 

 若さに任せて、自分の得点のために、闇雲に仕事の合理化をしたのではないのかと言う疑問だ。無駄には無駄なりの理由があるのかもしれない。若者が減っている時代だかこそ、属人的ではいけないのだろう。

 

 企業の成長に必要な人財は準備が必要なのだ。これには時間がかかる。合理化より何十倍の時間とエネルギーが費用になる。今、若かりし頃の自分を思い返す時、実は会社の成長機会を奪って評価を受けたという笑えない話なのかもしれない。