怒りで失うものは何?

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 前回、ヒトの心がどういう支えられ方をしているのかの話をした。このところ、企業のマネジメントにも、その重要性の理解を求められている。コロナ禍の中で、ハラスメントの記事が増えたように感じる。悲しいこと。

 

 ヒトのDNAには、間違いなく「闘争」という要素が刻み込まれている。たとえば、生命に危機に晒されなくても、心を傷つけられるなどがあると、往々して仕返しが頭をかすめることだろう。

 

 このような一時的に動く感情を「情動」というらしいが、これがあるから生きていける。脳にある偏桃体が司る機能であることは繰り返しの説明になって恐縮です。このこともホルモンのなせる生理現象だと理解しています。

 

 怒りの感情は誰にでもあるし、相手に爆発させると一時的にすっきりはした経験もあるはずだ。立場の上下、強い弱いなどいろんな関係性の中で観られる。この生理現象が90秒ルールに適用されるかどうは分からない。

 

 一つだけ確かなことは、怒りを爆発させると一瞬スッキリするだろうけれど、その後味の悪さに砂を噛む思いが湧き出る。このことが原因で全てを失うこともある。後悔先に立たずとはこのこと。

 

 分かって欲しいことがあって、それが理解されない意思疎通ができない時に、情動が発動されるのだろう。しかし、大切なことは、意思の疎通ができること。伝わらないことには目的は達成されない。

 

 強く言わなければならない場面もあると思う。そのことを否定はしない。しかし、情動だけで言ってしまっては、後悔しか残らない。強く言わなければならい愛を持っていて欲しい。子供は親が感情で動いているのか、愛で動いているのか肌で分かってしまうのだ。

 

 できることなら、例の呼吸のコントロールをして、情動をおさめて愛を確認して、伝えるようにして欲しい。人が情動で伝えるのは夢を語るときだけにして欲しい。