火の用心はいつまでか?

年末の銀座

 

緊急事態宣言も望み薄か、コロナ感染爆発を食い止める「現実的な行動」 | 今週もナナメに考えた 鈴木貴博 | ダイヤモンド・オンライン

 

 会社の中でも、社長が火の用心というと、取締役が部長に言う。そして、部長は課長に火の用心といい、課長は係長にそういう。係長は班長に火の用心と言えば、平社員はパートさんに火の用心というのか?そして会社は倒産する。

 

 今回の緊急事態宣言は2月7日までだ。直近のグーグルのAIによれば、「2月6日まで新規陽性者数はひたすら増え続け1日1万人を超えるようになる」という。昨年、クリスマスまではしゃぎ過ぎたようだ。

 

 かれこれ日本で感染者が出てから1年になる。人々の緊張状態が緩んできている。経済学の世界では、効用は逓減していくと教えられている。時間とともに緊張が緩むということだ。

 

 この1週間でグーグルのAIはGPS情報のビッグデータなどをもとに「緊急事態宣言だけでは新型コロナの第3波は抑え込めない」と判断したのではないかとしている。街の風景は大きくは変わっていない。

 

 「休日昼間の繁華街で人出が宣言前よりも増加している」といった報道もあるほどだ。これが限界効用逓減の法則だ。国民が混乱している。国民が自粛期間に何をすべきかを指示することこそが重要である。

 

 従来の取り組みに「何か簡単に実行できる新しい習慣」をもう1つ加えることで、より効果を導き出せないか?

 

 新型コロナの怖さは、研究によれば他人に感染させる力は発症の2日前から強まり、しかも発症前のほうが感染力が高く、PCR検査で陽性が判明する頃にはそれがかなり下がっていることが分かっている。

 

 鈴木氏が言うように、「発熱をしたら宣言する」「その人と接触があったら自分も3日自粛する」ということは、政府の言う「できる限りの自粛を強くお願いする」ということよりも何をすればいいかわかりやすい社会として導入しやすい。

 

 

菌に対する強さとは?

 

「殺菌」「抗菌」「除菌」何が違う?菌に1番強いのは? | ニュース3面鏡 | ダイヤモンド・オンライン

 

 

 パンデミックは100年周期説で起きるというのだ。

 

 記事によると、1720年頃にフランスを中心に襲った「ペスト」、次に1820年頃に世界的に流行した「コレラ」、そして1920年頃に世界で5000万人以上が死んだ「スペイン風邪」と確かに約100年ごとにパンデミックが起こっている。

 

 もちろん科学的な裏付けはない。むしろ40年周期で起きる五輪トラブルの方が地政学的に興味深いのかもしれない。2021年もテニスの全豪オープンでチャーターされた航空機内でコロナ感染者が発生した。搭乗者全員が2週間の隔離となった。

 

 先のコレラでも、10万~30万人の死者が出たといわれる。2度目の時よりも3度目の大流行が全国的に起こりさらに多くの死者を出した。「伝染病は公衆衛生の母である」という。日本人の間に衛生観念が生まれたのは、明治時代に入ってからだ。

 

 昨年はマスク不足に陥り、アルコール消毒液も買い占め等により品薄になった。一定濃度以下にも拘らず「殺菌」「抗菌」「除菌」と表示されたりしていた。これは厚生労働省消費者庁の管轄で管理される法事案である。

 

 厳密にいえばどこがどう違うのだろうか?

 

 効果の強さ 殺菌 > 除菌 > 抗菌

 

 殺菌は、文字通り菌を殺す作用のことだ。薬事法にもとづいて「殺菌」という表示ができるのは、消毒剤などの「医薬品」や、薬用石鹸などの「医薬部外品」のみである。

 抗菌は、菌を除去することであり、菌を殺すことはできない。あくまでも増殖を抑える作用があるという意味である。経済産業省の定義では、抗菌の対象はあくまでも細菌のみである。だから抗菌仕様と書かれてあっても、カビ、黒ずみ、ヌメリは対象外になる。

 除菌は菌を排除することだ。菌を殺すのではなく、あくまでも除去である。手洗いは除菌をするためのものだし、食器を洗うことも除菌のための行為だ。除菌効果があるとされる洗剤は、使ったあとに菌を減らすことはできるものの殺しはしない。

 

「大学入学共通テスト」で何が変わる?

大学入学共通テスト

 

海外エリート大学と日本の大学の「入試」に見る、根本的な違い | News&Analysis | ダイヤモンド・オンライン

 

 30年ぶりに大学の入学試験が変わったらしい。大学入試センター試験に代わり21年度入試から導入された「大学入学共通テスト」が始まった。僕の頃は「大学共通第1次学力試験」と呼んでいた。僕が元年生だった。

 

 息子に聞いてみると、暗記偏重の試験から考える、表現するなど多様性が盛り込まれたという。昔から欧米の大学は入りやすいが卒業のハードルは高いという話はよく聞いた。一体、何が違うのだろうか?

 

イギリスの名門、いわゆる「オックスブリッジ(オックスフォードとケンブリッジの両大学の総称)」では、面接試験が導入されている。

 

 日本では高校の学校推薦でもない限り大学の入学試験で面接が行われていると聞いたことがない。なぜ、面接が重視されるのか?娘が留学したので、少し仕組みがわかる。海外は大学に入る前にプレスクールで準備する。

 

 名門大学のカレッジは、寮があり学生と教員は寝食を共にして強い絆を結ぶ。これがのちのち大きな財産になるという。日本でも香川照之氏を見ていても感じるのだが、大学よりも出身高校がいかに重要かがわかる。

 

 カレッジで重要なのは、少人数のゼミのような形式で「読む」「書く」「話す」の鍛錬に励むことだろう。世界の先進国では実のところ、大学の先生が入試そのものに加わらない。日本が珍しいのだ。

 

 欧米では大学側が志望者の学力評価にあまり関与しないのだろうか?

 

 「高校側がすべき」と判断し「高校から送られてくる成績表や内申書で学力評価は十分」と認識しているようだ。高校の「相対評価」で大学側も生徒の学力到達度を把握し、それを信じて選考の資料とするのである。

 

 高校間の格差が少ないから「相対評価」の信頼性が担保されるとみていい。欧米での高校にも多少の格差もあるだろうが、それらはカレッジで埋めていくものと考えられる。日本の教育もグローバルスタンダードにするべきだろう。

 

医療はゼロサムゲームか?

 

 

冬のコロナ大感染、わかりきっていた危機になぜ日本は対応できなかったか | 情報戦の裏側 | ダイヤモンド・オンライン

 

 日本医師会の中川会長が日本の医療は「崩壊から壊滅」に向かうとテレビで国民に呼びかけた。コロナに限らず感染力の強いウィルスは、指数関数的に感染が広がる。例はよくないがねずみ講のような広がり方をする。直線ではなく曲線の世界だ。

 

 昨日で、日本でコロナウィルスが発見されてちょうど1年が経った。1年間も我々は右往左往している。波が来るたびにピークが高くなる。そして、ウィルスは変化し始めている。恐ろしいと思う。怖い。

 

 政府は民間病院に協力を求めている。但し、国内の医療施設や医療関係者の数は変わらない。意味するところは、一般の傷病に確保されていた資源がコロナ対応に使用されることになる。医療はゼロサムゲームになる。

 

 何故、1年間もあって今更こんなことになっているのか?

 

 このあいだパーキンソンの法則でも話した。テレビで報道されている感染者数、死亡者数に現実感がない。自分の周りで感染した、亡くなられたという話を聞かない。究極はコロナ詐欺だというような奇怪な話まで流れている。

 

 日本は世界一の医療機関数を誇ると言われているらしいが、そのほとんどが地域にある小規模なクリニックだという。これは感覚的よく理解できる。権威とか金銭的成功よりも地域の健康維持に貢献しようという意志が強い医療機関だ。

 

リスクを取らない経営方針をずっと貫いてきた小さな医院やクリニックの経営者が、「コロナを受け入れている病院が医療崩壊寸前だから、皆さんも協力してほしい」と言われても、「了解!やりましょう」とフットワーク軽く動けるだろうか。

 

  著者はこれを「現状維持バイアス」と言っている。医療の世界だけではない。迫り来る「危機」を前にして、かけ声だけは上がる。精神論を唱えるだけで「危機」対する慣れになっていると強く感じる。

 

 

データが教える土地を売るタイミングとは?

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新規分譲戸建の在庫減少で、親からの土地を高く売るチャンス到来 | ビッグデータで解明!「物件選び」の新常識 | ダイヤモンド・オンライン

 

 コロナ禍の緊急事態宣言が及ぼした影響に「都心部の空室率が増加した」がある。空室率が上がると空室を埋めようと賃料が下がる。これは市場原理だ。オンライン・リモートで仕事をしようというのだから、そうそう借り手は見つからない。

 

 オフィスビルの需要が少なくなると都心の地価が下がるかもしれない。昨年の公示価格が下がっていた。逆に、「今年売れた不思議な物」で書いたように、ブラインドやロールスクリーンがよく売れた。これは家にいる時間が増えたからだろう。

 

 気になるのは、テレビCMにハウスメーカーのCMがやたら多い。次に、太陽光、家庭用蓄電池、断熱などだ。ニュースでは電気を転売している新電力企業の経営不安がある。CO2削減が大きなテーマとして見え隠れする。

 

 リモートワークにも環境が必要なようだ。ブラインドやロールスクリーンが売れる理由だ。この機会に書斎が欲しいと思っても不思議ではない。記事によると、新規分譲戸建の在庫が減少していると言う。

 

 首都圏での新規着工戸数は増えていないにも拘らず新規分譲戸建の在庫が減少するのは用地の供給が追い付いていないと判断される。供給側からすると売り急ぐ必要はないので、値引き幅が少なくなる分、事業者の利益率が増えるのだ。

 

 事業者よりも割高で売れていく「個人の購入市場」に土地情報が出てくることが多くなっている。このようにして、分譲戸建のビルダーに流れる土地情報が減り、価格が高いために、ビルダーの土地仕入れに逆風になっているのだ。

 

 経済が停止状態になる中で、資金の循環を円滑にする目的で市場への資金供給が止まらない。世界的な金余りが起きている。金融緩和で不動産購入に資金が流れやすいため、価格が上がりやすい。

 

 「一時的かもしれないだけに、親から相続した土地はこのタイミングで売りに出そう。今後、今以上に高く売れるタイミングは来ないかもしれない。日本の総人口減少と同じトレンドで、戸建用地価格は下がるのだ。」と評者は煽る。

 

 

外科医の誕生日に手術を受けるのは危険か?

 

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「外科医の誕生日の手術は危険」という研究結果を、患者はどう考えるべきか | News&Analysis | ダイヤモンド・オンライン

 

  よく似た話に「仏滅」の日に交通事故が多いという話を聞いた。これは警察の業務日誌からデータを作成して分かった傾向らしい。結われだと思っていたが、やはり「仏滅」の日は避けようということになる。

 

 2回目の緊急事態宣言がなされた。日本医師会会長は「医療崩壊」から「医療壊滅」になることへの警戒を促した。コロナ感染者の中等症以上の人数が増えている。一人の患者に6人の医療スタッフが必要で負担の重さから退職するスタッフも出ている。

 

 米国のビッグデータの解析から「外科医の誕生日に手術を受けた患者の死亡率が、誕生日以外の日に手術を受けた患者の死亡率よりも高い」ことを明らかなった(研究成果は、「BMJ)」のクリスマス特集号にオンライン掲載されている)。

 

 手術の結果は常に最適ではない。20~30%の患者が手術後に合併症を経験し、5~10%の患者が死亡すると報告されている。これまで外科医が目の前の患者に全集中できない勤務状況がパフォーマンスに与える影響は、十分検証されていなかったようだ。

 

 スマホの着信音や医療機器のトラブル、手術内容とは必ずしも関係ない会話など、手術中の外科医の注意をそらすような物事は数多く存在するが、研究チームは、手術を早く終えようとするなどの影響が想定される「誕生日」に着目した。

 

 今回の研究結果が意味は、医師の労働環境を整備すること(=働き方改革)は、医師の過労やバーンアウトを減らすだけでなく、患者が質の高い医療を受ける観点からも重要であるということだ。

 

 自分が誕生日で家族が家で待っているので早く帰りたいということを言い出せない日本の方が、誕生日を重要視する人が休みの取得を公言して早めに帰宅することが許容されている欧米よりも場合によって影響は大きくなる。

 

 当然これは「誕生日」の研究ではない。重要なのは外科医にいかに手術に集中できる労働環境を整備するかである。そのメカニズムを理解する必要がある。手術室を静かな環境にするルールや複数の外科医によるチーム医療が必要になる。

 

 誕生日の術後に患者に変化があって、病院に執刀医が戻ってくる確率が低くなるのであれば、チーム医療によって他の医師が術後管理を担当するシステムも有効に機能すると思われる。

 

老化を克服するとは?

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 羽鳥慎一モーニングショーを見ました。木曜日は玉川徹氏の『そもそも総研』というコーナーがお気に入りだ。本日のテーマ「老化を克服するとは?」。みんなが乗り出して見入ってしまう内容。

 

 ハーバード大学の医学部デビッド・シンクレア教授は、長寿と加齢に関する研究では世界的に知られる第一人者である。人間の体にはそもそも老化をさせる物質なり遺伝子はないという。むしろ、新陳代謝しょうとする因子がある。

 

 「老化」という現象は、人体に由来するものがないのであれば、「病気」と捉えられないかという発想転換だ。デビッド・シンクレア教授の研究に影響を与えたのは、日本のノーベル賞医学者山中伸弥教授だった。再生医療の先駆者だ。

 

 デビッド・シンクレア教授と山中伸弥教授は将来の医療費削減の期待につながる。前にも書いたことがある。筑波大学名誉教授の村上和雄教授は『スッチ・オンの生き方』(2009年、致知出版社刊)の中で興味深いことを書かれている。

 

 遺伝子は生き物の設計図であることは、中学や高校で学ぶ。遺伝子の内容は猿と人間ではほとんど同じで、人間同士の差も極わずか0.5%でしかないようです。1つの細胞に32億個の遺伝子暗号を持っている。

 

 遺伝子には「自然治癒力」という暗号を持っています。一方で、遺伝情報に書かれていないことは起こりません。しかし、書かれている内容がすべて起こるわけでもないという。起こる起こらないは遺伝情報のスイッチがオンかオフかと例えられる。

 

 ガンの遺伝子情報や高血圧の遺伝情報はみんな持っていますが、殆どはオフの状態らしい。生活環境などによりスッチがオンになると発病がはじまるのだ。人間の遺伝子情報のほとんどはオフになっているらしい。

 

 老化するという遺伝子情報はないのだろう。しかし、自己治癒力や細胞の再生などの遺伝子情報がどこかのタイミングでオフになってしまうと老化や病気が起きるのではないと思われる。精神論のように思っていたいたが、科学的納得できるようになってきた。